測定項目の解説
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化学的酸素消費量(かがくてきさんそしょうひりょう) COD
COD(Chemical Oxygen Demand )という。強力な酸化剤を加えて、水中の有機物を酸化するときに使用(消費)した酸化剤の酸素の量。水の汚れを示す代表的な指標。
水中での酸素消費量の値が高い=水が汚染されている=飲料水には不適。
 
アンモニウムイオン(あんもにうむいおん)
動植物の腐敗物、排泄物等に含まれる窒素が分解され、最初の過程にあるのが、アンモニウムイオンである。アンモニウムイオンを測定することで、どの程度水環境が汚染されているかが分かる。アンモニウムイオン値が高いということは、生活排水からの汚染源が近いことを示している。また、工場排水、田畑からの肥料分の流入が考えられる。
 
亜硝酸イオン(あしょうさんいおん)
動植物の腐敗物、排泄物等による水環境の汚染の代表的な指標の一つ。汚染源が、河川、井戸、涌き水に流入するとアンモニアが水中の酸素やバクテリアなどによって酸化され、亜硝酸になる。亜硝酸は不安定な物質で、酸素やバクテリアなどによって硝酸に変化(酸化)したり、硝酸から酸素がとれて(還元)、また亜硝酸になることもある。
 
硝酸イオン(しょうさんいおん)
アンモニア、亜硝酸が酸化されることによって生成される有機性窒素体の最終生成物。水道法では亜硝酸性窒素と硝酸性窒素との合計量が10mg/L 以下に規制されている。体内に入ると亜硝酸へ還元され、魚介類に含まれるアミノ酸と反応すると、N-ニトロソアミンが生成され、この物質は発がん性が疑われている。硝酸を過剰摂取すると、とくに乳児はメトヘモグロビン血症という病気になりやすく、硝酸性窒素で22mg/L 以上を含む水は乳児には使用すべきではない、とWHOでは勧告している。
 
りん酸イオン(りんさんいおん)
りん酸は植物の生育に必要な要素で、生物の分解から供給されている。この他、肥料、工場排水、そして生活排水にも含まれている。植物には重要な要素にもかかわらず、一般的には水中には微量にしか存在しない。りん酸が増加し、過剰になった状態を富栄養化という(りんとして0.02mg/L が水域での富栄養化の目安)。過剰なりんは植物プランクトンや藻類を増殖させ、アオコや赤潮の発生の原因となり、環境に大きな影響を与えることになる。
 
  <参考文献>
     岡内完治 「だれでもできるパックテストで環境しらべ」 合同出版
 
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